ヒト幹細胞の使い方とは?ヒト幹細胞コスメの効果をより引き出す使い方についても紹介

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「ヒト幹細胞」は、シミ・シワ・乾燥などのエイジングサインに悩む女性の間で人気です。

サイトカインや成長因子が豊富に含まれており、肌の細胞に働きかけてハリのある健やかな肌へと導きます。

しかし、「本当に効果がある?」「ヒト幹細胞の効果を得られるのか心配」と疑問や不安を感じている方もいるのではないでしょうか。

ヒト幹細胞はエイジングサインへの高い効果が期待できますが、間違った使い方では効果を得られにくいので注意が必要です。

このページでは、ヒト幹細胞の効果的な使い方についてくわしく解説します。

この記事を参考に、ヒト幹細胞コスメを正しい方法で使用して、理想の肌を目指しましょう。

ヒト幹細胞とは

そもそもヒト幹細胞とは何なのか、理解していない方もいるのではないでしょうか。まずは、ヒト幹細胞の特徴や種類についてくわしく解説します。

幹細胞の特徴

「幹細胞」とは、自分の同じ能力を持つ細胞に分裂する「自己複製能」と、自分の体を構成するさまざまな細胞を作り出す「分化能」を持つ細胞のことを指します。

幹細胞には自己複製能と分化能を活かして体のもとになるほか、筋肉や骨など体の組織や、免疫細胞などの新たな細胞を作る働きがあります。

再生医療の分野でも研究が進められ、ヒトの脂肪組織から幹細胞を分離し、培養して体内に戻す治療などが行なわれています。

病気の治療や組織再生への効果が注目を集めており、未来の医療に大きな役割を果たす可能性があるとされています。

幹細胞の種類

幹細胞は、「ヒト由来の幹細胞」「動物由来の幹細胞」「植物由来の幹細胞」の3種類があります。それぞれの特徴は、以下のとおりです。

ヒト由来の幹細胞動物由来の幹細胞植物由来の幹細胞
特徴•ヒトの細胞から採取
•ヒトの肌によくなじみ、高い効果が期待できる
•羊・豚・馬などの細胞から採取
•人間の幹細胞に近い羊の毛根や胎盤から採取された幹細胞が使用されることが多い
・細胞分裂が活発な種子の中にある胚・根の先端・茎の付け根などから採取
・抗酸化力と保湿力が優れている
安全性アレルギーが少なく、安全性が高いアレルギー反応が起きる可能性があり、安全性が低い動物由来より安全性は高いが、敏感肌はアレルギーの原因になりうる
希少性希少性が高く高価希少性が低く安価希少性が低く安価

コスメに使われているのはヒト幹細胞培養液

コスメに使われているヒト幹細胞成分には、「ヒト幹細胞培養液」と「ヒト幹細胞培養上清液」の2種類があります。

ヒト幹細胞培養液とは、幹細胞を培養した際に生成される液体のことを指し、ヒト幹細胞コスメによく使用されています。

幹細胞そのものではないものの、成長因子やサイトカインと呼ばれるタンパク質などの豊富な成分が含まれているのが特徴です。

一方、ヒト幹細胞培養上清液は、幹細胞が培養した液体から幹細胞を取り出し、減菌処理などを行なったときに抽出される上澄み液のことを指します。

ヒト幹細胞上清液は成長因子など重要な成分のみ抽出されており、より純度が高いのが特徴です。

ヒト幹細胞培養液の効果について

ヒト幹細胞培養液には豊富な成長因子が含まれており、細胞の活性化をサポートするため肌への効果が期待できます。

しかし、具体的にどのようなスキンケア効果が期待できるのか、わからない方も多いでしょう。ここからは、ヒト幹細胞培養液による肌への効果について詳しく解説します。

ターンオーバー改善効果

ヒト幹細胞培養液は、ターンオーバーを改善する効果が期待できます。

ターンオーバーとは、一定の周期で肌の細胞が生まれ変わる仕組みのことです。新しい細胞が生まれると、古い皮膚が押し上げられてアカとして剥がれ落ちるというサイクルで、ターンオーバーは行なわれます。

通常は約28日間の周期でターンオーバーが行なわれるものの、年齢を重ねると新陳代謝が落ちてターンオーバーの周期が乱れます。そうなると、古い皮膚が剥がれ落ちずに残って肌がごわついたり、メラニンがうまく輩出されずシミにつながったりするおそれがあるので、注意が必要です。

しかし、ヒト幹細胞培養液は細胞に働きかけてターンオーバーをサポートするため、シミやくすみができにくいなめらかな肌を目指せます。

シワ・たるみ改善効果

ヒト幹細胞培養液は、シワやたるみ改善の効果が期待できます。

年齢を重ねるにつれて、ハリ・弾力につながるコラーゲンやエラスチンなどの成分を生成する「線維芽細胞」の機能が低下します。つまり、年齢とともにハリ不足やたるみに悩まされるのは、線維芽細胞の衰えがおもな原因です。

ヒト幹細胞培養液には成長因子などが豊富に含まれているため、線維芽細胞にも働きかけます。コラーゲンやエラスチンといった成分の生成を促し、肌の内側から水分を補ってハリや弾力をもたらし、シワ・たるみの改善効果が期待できるでしょう。

ヒト幹細胞コスメの効果をより引き出す使い方

ここからは、ヒト幹細胞コスメの効果を引き出す使い方について解説します。

効果を高める使い方

ヒト幹細胞コスメの効果を高めるには、ヒト幹細胞コスメを手の温度で温めてからハンドプレスして肌になじませましょう。

ハンドプレスとは化粧水などを浸透させる手技の一つで、化粧水を付けるときにしばらく手で押さえ、化粧水をなじませることをいいます。

手の温度で軽く温めると、ヒト幹細胞コスメの美容成分が角質層まで浸透しやすくなります。さらに、手のひらで肌を包み込むようにハンドプレスすると、より一層浸透を促せるので効果的です。

なお、ヒト幹細胞コスメを使用する順番は、商品によって異なります。

例えば、ヒト幹細胞美容液の場合、洗顔後すぐに使用するものもあれば、化粧水をなじませたあとに使用するものもあります。誤ったタイミングで使用するとヒト幹細胞の効果が十分に発揮されないので、使用する前に必ず使い方を確認しましょう。

ビタミンBと一緒に使う

ヒト幹細胞コスメの効果を高めるには、ビタミンBの成分が配合されたコスメを一緒に使うのがおすすめです。

ビタミンBは「代謝ビタミン」とも呼ばれており、新陳代謝を促進して健やかな肌を保つ働きがあります。

そのため、肌のごわつきや増え続けるシミに悩んでいる方にはビタミンBがおすすめです。

パンテノールやナイアシンアミドが配合されたコスメでスキンケアするだけではなく、サプリメントでビタミンBを摂取するとより効果的です。

ビタミンB群はビタミンB1・B2・B6・B12・葉酸・ナイアシン・ビオチン・パントテン酸の8種類がありますが、ほとんどが体内で生成できない栄養素なので、サプリメントや食事からも積極的に摂取しましょう。

ビタミンCと一緒に使う

ヒト幹細胞コスメをビタミンCと一緒に使用すると、より高い効果が期待できます。

ビタミンCには活性酸素を除去する「抗酸化力」があるのが特徴です。紫外線のダメージから肌を守り、シミ・そばかすなどの色素沈着を防ぐ役割があります。

また、コラーゲンの産生を助ける働きもあるため、肌のハリや弾力不足、たるみの悩みにもぴったりです。

ビタミンCが不足してコラーゲンが生成されにくくなるとたるみなどの原因になるので、若々しい印象を保つためにもビタミンCを積極的に摂取しましょう。

ビタミンBと同様に、ビタミンCも体内で作ることのできない成分なので、スキンケアだけでなくサプリメントからも摂取するとより効果的です。

他の化粧品と一緒に使っても問題ない

ヒト幹細胞コスメは、ほかの化粧品と一緒に使用しても問題ありません。

一緒に使用してはいけない成分はなく、肌トラブルに合う成分を配合した化粧品と組み合わせるとより高い効果が期待できます。

美容液はヒト幹細胞、化粧水はビタミンCなどアイテムごとに成分を分けるのはもちろん、ヒト幹細胞とほかの成分が組み合わさったコスメを使用するのもおすすめです。

ヒト幹細胞コスメで細胞の活性化に働きかけながら、ほかの化粧品で肌トラブルもしっかりケアしましょう。

ヒト幹細胞コスメは年齢に関係なく使える

ヒト幹細胞コスメはエイジングケアのイメージがありますが、年齢に関係なく使用できます。

20代後半は「お肌の曲がり角」といわれているほど肌トラブルが起こりやすくなり、シミ・くすみ・乾燥などの肌悩みが増えやすい時期です。

肌の老化は20代から進んでいるため、20代からヒト幹細胞コスメを使うことをおすすめします。
20代の若いうちからヒト幹細胞コスメを使用すると、老化を防いで若々しい印象をキープできます。

また、30代半ば以降はヒト幹細胞コスメを積極的に使用しましょう。

30代半ば以降の年齢は、加齢によって細胞分裂のスピードが落ちたりターンオーバーに時間がかかったりします。
そうなると、肌がごわついたりコラーゲンなどが生成しにくくなってたるみが生じたりするため、本格的なエイジングケアが必要です。

成長因子や活性物質が豊富なヒト幹細胞コスメなら、細胞の活性化をサポートしてハリのある健やかな肌を目指せるでしょう。

ヒト幹細胞コスメの効果をより実感する選び方

ヒト幹細胞コスメの効果を実感するには、コスメ選びも重要です。より優れたヒト幹細胞コスメを選んで毎日使用すると、ヒト幹細胞の効果を引き出して理想の肌へと近づけます。

ここからは、ヒト幹細胞コスメの選び方についてくわしく解説します。

高濃度を選ぶ

ヒト幹細胞コスメは、ヒト幹細胞由来の成分の濃度が高いものを選びましょう。

高濃度のコスメのほうが、より高いスキンケア効果が期待できます。成分表示は配合量が多い順に並んでいるので、ヒト幹細胞由来の成分ができるだけ前のほうに記載されているか確認し、高濃度のコスメを選びましょう。

また、「培養液エキス」と記載されているヒト幹細胞コスメには注意が必要です。培養液エキスとは、培養液をより薄くした液から抽出したエキスのことを指しており、濃度が低い傾向があります。

「培養液エキス100%」と書いてあると、高濃度のように思ってしまいますが、実際はあまり濃度が高くないコスメもあるので、なるべく「培養液原液」を選びましょう。

他の美容成分で選ぶ

ヒト幹細胞コスメには、ほかの成分と組み合わせて配合されているものもあります。

ヒト幹細胞培養液で細胞の活性化をサポートしながらほかの成分でもケアすると、肌トラブルに対してより高い効果が期待できます。成分ごとに効果が異なるので、肌悩みに合わせて選びましょう。

肌悩みおすすめの成分
シミ・そばかすビタミンC誘導体
プラセンタエキス
トラネキサム酸
アルブチン
ハリ・弾力・たるみレチノール
ナイアシンアミド
プラセンタエキス
乾燥コラーゲン
ヒアルロン酸
セラミド
プロテオグリカン
スクワラン
ニキビ・肌荒れグリチルリチン酸2K
サリチル酸
アラントイン

配合成分で選ぶ

肌がデリケートな敏感肌の方は、ヒト幹細胞コスメを配合成分で選ぶことも重要です。以下のような成分は敏感肌の方は刺激を感じやすい傾向があるため、できる限り配合されていないヒト幹細胞コスメを選びましょう。

  • 植物エキス
  • 香料
  • 鉱物油
  • アルコール
  • タンパク質由来

また、以下3つの試験が実施されているヒト幹細胞コスメは、比較的安全性が高く刺激を感じにくい傾向があります。

  • パッチテスト:ヒリつきやかゆみなど感覚的な不快感がないか確かめる試験
  • スティンギングテスト:敏感肌の方が使用してヒリつきやかゆみなど感覚刺激(スティンギング)がないか評価する試験
  • アレルギーテスト:アレルギー物質が含まれるエキスを用いて刺激性やアレルギー性の有無を確かめる試験

上記のテストが実施されていても、すべての人に皮膚刺激やアレルギーが起きないというわけではありません。そのため、試験実施の有無を一つの判断材料としてチェックすることをおすすめします。

ヒト幹細胞コスメを効果的に使おう

ヒト幹細胞コスメは細胞の活性化をサポートする働きがあり、エイジングケアにぴったりです。

年齢とともに細胞の働きが衰えて肌悩みが増加しやすくなるため、シミ・くすみ・たるみ・シワなどの肌トラブルを抱えている方はヒト幹細胞コスメを使いましょう。

ヒト幹細胞コスメを手で温めてからハンドプレスしてなじませると、角質層への浸透を促してより効果を引き出せます。年齢に関係なく使用できるので、若々しい印象を保ちたい方は20代から使用するのがおすすめです。

この記事を参考に、ヒト幹細胞コスメを効果的な方法で使用して、ふっくらとしたハリのある健やかな肌を目指しましょう。

ステムボーテ
この記事の監修

コッツフォード良枝

銀座禅クリニック院長
https://www.ginza-zenclinic.jp/doctor/

美容外科・皮膚科医師/日本抗加齢医学会専門医 山梨大学医学部卒業。国際医療センター国府台病院を経て、日本医科大学麻酔科学講座に入局。 2011年から皮膚科、美容皮膚科、美容外科に従事。メディア出演も多数。