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category: ヒト幹細胞
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ヒト幹細胞培養液を含んでおり、いまエイジングケアとして人気を集めている美容液などの「ヒト幹細胞コスメ」。日本だけではなく、韓国でも注目されており、韓国発のヒト幹細胞コスメも発売されています。
しかし、「ヒト幹細胞コスメにはどのような効果がある?」「どのアイテムを選べば良いのかわからない」といった疑問に思っている方もいるのではないでしょうか。
この記事では、ヒト幹細胞の効果やヒト幹細胞コスメの選び方についてくわしく解説します。
目次
美容大国・韓国で人気を集めている「ヒト幹細胞」ですが、そもそも「ヒト幹細胞」とはどのようなものか、わからない方もいるでしょう。
まずは、ヒト幹細胞の種類や特徴についてくわしく解説します。
幹細胞とは、さまざまな細胞を作り出すもととなる細胞のことを指し、「ヒト幹細胞」「動物幹細胞」「植物幹細胞」の3種類に分類されます。
幹細胞の種類 | 特徴 |
ヒト幹細胞 | ヒトの細胞から採取 一般的に皮下細胞から採取した脂肪由来の幹細胞が使用されている ヒト由来のため肌によくなじむ |
動物幹細胞 | 羊・豚・馬などの細胞から採取 人間の幹細胞に近い羊の毛根や胎盤から採取された幹細胞が使用されることが多い アレルギー反応が起きる可能性があり、安全性が低い |
植物幹細胞 | 種子の中にある胚・根の先端・茎の付け根など、細胞分裂が活発な部分から採取 抗酸化力と保湿力に優れている 動物性幹細胞よりアレルギー反応が起きる可能性は低く、安全性が高い |
「ヒト幹細胞コスメ」とは、「ヒト幹細胞培養液」が配合されたコスメのことです。
ヒト幹細胞培養液は、ヒトの皮下細胞から採取した幹細胞を培養した際に抽出される上澄み液のことを指します。
多数の成長因子をはじめ百十種類の活性物質を含み、細胞そのものを活性化させるのが特徴です。
年齢を重ねるにつれてシミ・シワ・くすみ・たるみなどの肌トラブルが増加する理由は、肌の幹細胞の数が減少するからです。
幹細胞の数が減少すると、細胞を再生・修復・増殖させる働きが衰えるため、さまざまな肌トラブルが発生します。
しかし、ヒト幹細胞培養液は幹細胞の働きを助けることから、肌トラブルが発生する原因にアプローチすることが可能です。
そのため、エイジングケア(年齢に応じたケア)として注目を集めており、化粧水や美容液などヒト幹細胞培養液を配合したスキンケアアイテムが多数販売されています。
ヒト幹細胞コスメは、特に韓国で人気を集めています。
ここからは、韓国で人気のヒト幹細胞コスメの効果についてくわしく解説します。
「幹細胞」とは、自分と同じ能力を持つ細胞に分裂する能力「自己複製能」と、自分の体を作るさまざまな細胞を生成する能力「分化能」の働きがある細胞のことです。
ヒト由来の幹細胞「ヒト幹細胞」は、再生医療の分野で注目を集めています。
医療機関ではヒトの脂肪組織から幹細胞を分離し、培養して体内に投与する治療が行なわれるなど、臓器の再生や修復にも役立っています。
ヒト幹細胞は、再生医療の分野だけではなくエイジングケアにも効果が期待できるため、ヒト幹細胞培養液を配合した「ヒト幹細胞コスメ」が注目されています。
成長因子や活性物質(サイトカイン)が豊富で、肌の細胞自体に働きかけるのが特徴です。
コラーゲン(脂肪分解を促す)・エラスチン(肌の弾力を保つ)・ヒアルロン酸(肌の水分保持の役割を持つ)を作り出す線維芽細胞にアプローチしたり、ターンオーバーを促したりする効果が期待できます。
そのため、以下のような肌の悩みを抱えている方に適しています。
肌の細胞に働きかけるスキンケアを採り入れると、自らハリやうるおいを生み出す健やかな肌を目指せます。
エイジングケアの効果が注目を集めているヒト幹細胞コスメは、さまざまな種類が販売されています。
そのため、どのコスメを選べば良いのかわからない方もいるでしょう。ここからは、ヒト幹細胞コスメの選び方について詳しく解説します。
ヒト幹細胞コスメを選ぶときには、成分の濃度をチェックしましょう。
ヒト幹細胞培養液の濃度が高いコスメのほうが、肌のハリ・シワ・たるみ・くすみなどの肌トラブルにより高い効果が期待できます。
成分表記は配合量が多い順に並んでいるため、できるだけヒト幹細胞培養液の成分が上位に記載されているコスメを選びましょう。
また、「培養液エキス」は培養液をさらに薄めて抽出したエキスを指すため、「培養液エキス100%」と書かれたコスメが高濃度のものとは言い切れません。
薄めた「培養液エキス」ではなく、「培養液原液」のコスメを選ぶとよいでしょう。
ヒト幹細胞コスメには、とろみのあるしっとり系のテクスチャー(さわり心地やつけ心地、肌にのせたときの質感)から、サラサラとしたさっぱり系のテクスチャーまでさまざまな種類があります。
好みの使用感でないと、カサついて物足りなさを感じたり、反対にベタついて不快感を覚えたりする可能性もあるので、自分の肌質に合うテクスチャーを選ぶことが重要です。
実際に試してテクスチャーを確認できない場合は、成分から判断しましょう。
「グリセリン」「BG(ブチレングリコール)」「ヒアルロン酸」といった粘性のある保湿成分を配合しているヒト幹細胞コスメは、比較的とろみがある可能性が高いです。
また、「キサンタンガム」「カルボマー」「ペクチン」などの増粘剤はとろみを増すために配合されており、しっとりとした使用感になります。
保湿成分だけではなく、増粘剤の有無でもテクスチャーが変わるので、合わせてチェックしましょう。
ヒト幹細胞コスメには、ヒト幹細胞培養液以外にもさまざまな成分が配合されています。
配合成分によって期待できる効果が異なるので、シミ・たるみ・乾燥など抱えている肌悩みに合う成分が含まれているのかチェックしましょう。
肌悩みごとのおすすめの成分名は、以下のとおりです。
肌悩み | おすすめの成分 |
---|---|
シミ・そばかす | ビタミンC誘導体 プラセンタエキス トラネキサム酸 アルブチン |
ハリ・弾力・たるみ | レチノール ナイアシンアミド プラセンタエキス |
乾燥 | コラーゲン ヒアルロン酸 セラミド プロテオグリカン スクワラン |
ニキビ・肌荒れ | グリチルリチン酸2K サリチル酸 アラントイン |
肌悩みに合う成分が配合されたヒト幹細胞コスメなら、肌トラブルへのより高い効果が期待できるでしょう。
肌が荒れやすい敏感肌の方は、配合成分に気を付けてヒト幹細胞コスメを選びましょう。
敏感肌の方は、以下の成分から刺激を感じやすいので注意が必要です。
また、安全性を確かめるために以下のような試験を実施しているヒト幹細胞コスメは比較的刺激が弱いため、肌がデリケートな方でも使いやすいでしょう、
なお、上記のテスト実施済みのヒト幹細胞コスメでも、すべての人に皮膚刺激やアレルギー反応が起きないわけではないため、注意しましょう。
ヒト幹細胞コスメは、角質層への浸透を促すように手のひらで温めてから肌になじませましょう。優しくハンドプレスしながらなじませると、角質層への浸透をより促せます。
目元や口元は皮膚が薄く乾燥しやすいので、重ね付けすると効果的です。
また、スキンケアは肌に塗る順番も大切です。商品によって異なりますが、基本的には洗顔後に化粧水→ヒト幹細胞培養美容液→乳液やクリームの順番でスキンケアしましょう。
さらにスキンケア効果を高めたい場合は、組み合わせるコスメやサプリメントも肝心です。
肌のごわつきが気になる方は、ナイアシンアミドやパンテノールなどの「ビタミンB」が配合されたコスメやサプリメントがおすすめです。新陳代謝を高め、古い角質層や老廃物を排出してなめらかな肌へと導きます。
シミやそばかすが気になる方は、抗酸化力が高くコラーゲン増殖の効果も期待できる「ビタミンC」を配合したコスメやサプリメントがぴったりです。肌の新陳代謝を高め、シミのもとであるメラニンの排出を促します。
ヒト幹細胞コスメは、若いうちからスキンケアに取り入れましょう。
20代後半は「お肌の曲がり角」ともいわれており、肌の老化が始まって肌トラブルが気になり始める時期です。
特に、肌の老化の大きな原因である紫外線を多く浴びている方は、シミ・くすみ・乾燥などの肌トラブルが起きやすい傾向があります。そのため、ヒト幹細胞コスメを若い内から取り入れて、早めにエイジングケアを開始するのがおすすめです。
30代半ば以降は、ヒト幹細胞コスメを積極的に使用しましょう。細胞分裂の速度が低下するため、ターンオーバーに時間がかかり、肌がごわついたりシミが目立ちやすくなったりします。
さらに、線維芽細胞も減少してコラーゲンを生成しにくくなり、ハリ不足やたるみといった肌トラブルが発生します。
成長因子やサイトカインが豊富なヒト幹細胞コスメを使用すると、細胞の活性化をサポートして効果的なエイジングケアができるでしょう。
ヒト幹細胞コスメには豊富な成長因子やサイトカインが含まれており、肌の細胞に働きかける特徴があります。
ハリや弾力とかかわりのある線維芽細胞に働きかけたり、ターンオーバーを促進したりする効果が期待できます。
そのため、シミ・くすみ・ハリ不足・たるみ・シワなどさまざまな肌トラブルに悩みがちな年齢肌のお手入れにぴったりです。
美容液などのヒト幹細胞コスメで細胞自体に働きかけることで、ふっくらとしたハリのある健やかな肌を目指せます。
この記事を参考に、自分に合うヒト幹細胞コスメを見つけて、早めのエイジングケアで理想の肌をキープしましょう。
コッツフォード良枝
銀座禅クリニック院長
https://www.ginza-zenclinic.jp/doctor/
美容外科・皮膚科医師/日本抗加齢医学会専門医 山梨大学医学部卒業。国際医療センター国府台病院を経て、日本医科大学麻酔科学講座に入局。 2011年から皮膚科、美容皮膚科、美容外科に従事。メディア出演も多数。
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